一昨日の和風総本家で金切りバサミの職人さんの話がひじょうに印象に残りました。
「世界で活躍するメイドインジャパン」はワタクシが好きな特集です。
ドイツのパイプオルガンを作る職人さんが長年愛用しているメイドインジャパンは
埼玉県の金切りバサミです。
機械作りで有名なあのドイツで、ナゼわざわざ日本製を使っている訳は
手入れもお座なりでも切れ味がまったく変わらず、ひじょうに精密に切る事ができるから
とのこと。もう30年近く使っているそうです。
スゴイ・・・。それだけでも感動してしまいました。
でも残念なことにそのハサミを作った職人さんはまだご健在にもかかわらず、
2年前に廃業し、その制作工場も、昨年取り壊したそうです。
廃業の理由は年々注文が減って、後継者もなく、自分も高年齢(91歳)になってしまったからだそうです。
金切りバサミ自体、自分が製茶工場を手伝うようになってから、何度か機械屋さんが持っていた物を
見たことがあり、製茶機械のお茶の通り道をブリキ板を加工して、カバーを付けたり、漏斗を作ったりしてもらいました。
自分も真似をしようとホームセンターで買ってきたりしましたが、やはり素人がやっても、
ブリキ板を上手く切ること自体難しいことでした。
その職人さんはもうだいぶ前に亡くなられてしまいましたが、使っていたハサミがよく似ていたのを思い出し、
使う職人さんとその道具を作る職人さんも、時代の流れで、なくなっていってしまう、というせつなさか、涙がでました。
ドイツの職人さんに使ってもらっているという、嬉しさもありましたが、自分の場合はせつなさが大部分でした。
鉄を切る鉄を作る技術はたぶん刀作りから来ているのに違いありません。
まさに日本が誇るに値する技術だと思いますが、
需要がなくなり、収入がなくなれば、後継ぎもなくなってしまうという、悲しい現状を目の当たりしてしまいました。
こんなスバラシイ技術を後世に残せないなんてなんとも惜しいですが、コレが現実なんですよね。
そのハサミを作った職人さんが言ったことが印象に残りました。
「喜んで使って貰えたら金なんてどうでもいいんだよね、職人ってそういうもんなんだ。」
ウチの工場を直してくれた職人さんもそんな感じの人でした。